認知症ケアマッピング
認知症ケアマッピング(DCM:Dementia Care Mapping)
デイサービス昭和館のスタッフは、認知症ケアマッピング(DCM:Dementia Care Mapping)を学んでいます。
認知症ケアマッピング(DCM:Dementia Care Mapping)は、「パーソン・センタード・ケア」の考えに基づいています。
1980年代以前の英国では、認知症をもつ人たちのケアが、業務中心(流れ作業)となっていました。
そこで、今は亡きトム・キットウッド博士は、スケジュール中心・業務中心のケアでなく、その人の個性やどのような人生を歩んできたかに焦点をあてたケアをすべきだと主張し、その思想を実践するために、認知症ケアマッピング(DCM:Dementia Care Mapping)法を考案したのです。
認知症ケアマッピング(DCM:Dementia Care Mapping)のプロセス
認知症ケアの質の向上を目指して、開発されたツールです。
この方法は、単なるアセスメント(評価)法ではありません。観察で得られた、情報(対象者がよい状態にあるか、よくない状態にあるか)をもとに、介護現場のスタッフと話し合い、認知症ケアの質の向上を目指す目的で開発されています。
認知症ケアマッピング(DCM)法は、認知症をもつ人がどのように過ごしていたかの概観をとらえます
認知症ケアマッピング(DCM)法では、通常、6時間以上連続して認知症をもつ人を観察します。そして、5分ごとにどの行動カテゴリーに分類されるか、よい状態(well-being)からよくない状態(ill-being)までのどの段階にあたるのかをアセスメントし、表にあらわします。
ちょうど、訓練(研修)を受けた登山家であれば、地形図を見ただけで、山に登らなくてもどのような山なのかが想像できるのと同様に、この表を見れば、認知症をもつ人がどのようなケアを受けていて、どのように過ごしていたかの概観をとらえることができるのです。
徹底した現場主義によって生まれました
認知症ケアマッピング(DCM)法は、研究者らが、研究室で作ったものではありません。認知症介護の現場で、何千時間という観察から生まれたものです。従って、観察中もスタッフが多忙であれば、一時中断して手伝ったり、認知症をもつ人が危険な状況にあれば、積極的に介入したりすることが推奨されています。このように、この方法は、研究至上主義の冷徹なアセスメントとはまったく異なり、「人間味あふれるアセスメント」といえるでしょう。
研修で価値基盤となるパーソン・センタード・ケアを学びます
認知症ケアマッピング研修では、価値基盤となるパーソン・センタード・ケアの理念をしっかり身につけることを重視しています。英国ブラッドフォード大学が開発したコースです。欧州・米国、日本をはじめアジアでも開催されていて、現在は、世界10か国以上で同じ内容の研修を受講することができます。
コース全講座を受講し、研修後の筆記試験に合格された方は、認知症介護研究・研修大府センターが英国ブラッドフォード大学とのパートナーシップに基づき認定する資格を得ることができます。後日、認定証が発行されます。
University of Bradford
Bradford West Yorkshire BD7 1DP UK
Tel: +44 (0) 1274 232323
認知症介護研究・研修大府センター
愛知県大府市半月町3-294
電話:0562-44-5551
認知症ケアマッピング動画
パーソン・センタード・ケアと認知症ケアマッピングの概要、実際の実践風景を紹介しています。
認知症ケアマッピングがもたらす変化
DCMを導入した多くの高齢者施設で、認知症をもつ人の心理的ニーズが阻まれるような出来事が減少し、心理的ニーズが満たされる機会が増加しています。また、DCMを実施することで、認知症をもつ人の焦燥(しょうそう)と呼ばれている行動を減少させたという研究報告もあります。DCMは、認知症をもつ人のよい状態を向上させ、チームケアや組織を発展させるために活用されています。
参考文献
認知症介護研究・大府研修センター(2011)『DCM(認知症ケアマッピング)マニュアル』
認知症介護研究・大府研修センター(2011)『DCM(認知症ケアマッピング)理念と実践』
認知症介護研究・大府研修センター(2015)『認知症ケアマッピング(DCM)って何?』
認知症ケアマッピングを用いた パーソン・センタード・ケア実践報告集
認知症介護研究・研修大府センター
愛知県大府市半月町三丁目294番地
電話:0562-44-5551
2019年度 パーソン・センタード・ケア研修
2019年度 大阪市パーソン・センタード・ケア研修
大阪市認知症介護指導者によるパーソン・センタード・ケア研修
認知症介護従事者が、認知症ケアの基本的な理念や考え方を理解し、認知症の人に適切なケアを提供していくことができるように、認知症介護人材の育成を実践してまいります。
大阪市福祉局高齢者施策部高齢福祉課認知症施策グループ
大阪市北区中之島1丁目3番20号(大阪市役所2階)
電話:06-6208-8051
「認知症を知り地域をつくる10ヵ年」の構想
認知症を知り地域をつくるキャンペーン
2004年12月に「痴呆」の呼び名が「認知症」に改まり、つづく2005年度が「認知症を知る1年」と位置づけられました。単なる呼称変更にとどまらず、今後多くの人々に認知症が正しく理解され、また認知症の方が安心して暮らせる町がつくられていくよう、その第一歩として、普及啓発のためのキャンペーンが開始されました。
厚生労働省の「認知症を知り 地域をつくる10ヵ年」の構想のもと、認知症の方とそのご家族を地域の中で支える「地域づくり」をめざしています。民間の有識者や団体を中心とした「認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議」の支援をうけ、平成17年度から全国で展開されています。
みんなで認知症の人とその家族を支え、見守り、ともに生きる地域を築いていく運動を推進しています。
認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議宣言
- わたしたちは、認知症を自分のこととしてとらえ、学びます。
- わたしたちは、認知症の人の不安や混乱した気持ちを理解するよう努めます。
- わたしたちは、認知症の人が自由に町に出かけられるよう、応援します。
- わたしたちは、認知症の人や家族が笑顔で暮らしていけるよう、いっしょに考えます。
- わたしたちは、市民や企業人としてできることを行い、安心して暮らせる町づくりをめざします。
認知症サポーター100万人キャラバン
私たちデイサービス昭和館のスタッフは、認知症に対して正しく理解し、偏見をもちません。
認知症の人やそのご家族を温かい目で見守ります。
地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携のネットワークづくりに寄与します。
デイサービス昭和館のスタッフは大阪市キャラバン・メイトとして登録し、活動に参加しています。
認知症サポーターおよびキャラバン・メイトに関するお問い合わせ
大阪市社会福祉協議会 地域福祉課(大阪市キャラバン・メイト事務局)
電話:06-6765-7273
認知症サポーターの養成と活動の支援
認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)では、認知症への理解を深めるための普及・啓発を推進しています。
認知症サポーターの養成と活動の支援について、認知症サポーターを量的に養成するだけでなく、活動の任意性を維持しながら、認知症サポーターが様々な場面で活躍してもらうことに重点を置いています。
デイサービス昭和館は、事業所の休業日に施設の一部を提供し、社会貢献の一環として、認知症カフェ(オレンジカフェ昭和館)を開催しています。
オレンジカフェ昭和館では、ボランティア活動としてお手伝いしてくださる方を受け入れしています。
認知症サポーター養成講座を修了して、認知症サポーターとして活躍の場をお探しの方はお気軽にお問い合わせください。