見守り活動の目的
なぜ、見守りが必要なの?
見守り活動は、住民同士がつながりあうきっかけであり、ともに支え合って暮らしていくことができる地域づくりを進めるうえで、身近で、かつとても重要な取り組みです。
普段の生活の中での「あいさつ」、「声かけ」、「生活の様子を気にかけること」などから、同じ地域で暮らす住民が、できるだけ早い段階でちょっとした変化に気づき、必要な支援へとつないでいくことが大切です。
お互いに見守り、見守られる “支えあい” の活動であることを念頭に置き、双方が負担や不安を感じないような関係を築いて取り組んでいきましょう。
(出典:見守り活動の手引き p2-3)
1. | 発見・つなぐ |
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「〇〇さん、最近様子がおかしいな」と同じ地域で暮らす住民ならではの「気づき」を活かします。 日常の見守りや、「周りを気にかける」から、 高齢者や子育て中の保護者、その子どもなどの「ちょっとした変化」に気づきます。 それは、虐待や、悪徳商法、介護・育児疲れなどのサインかもしれません。 こうしたアンテナを張ることで、どこに支援が必要な人がいるか、 どのようなことに困っているのか把握できるようになります。 そして発見したことを区社協(見守り相談室)や地域包括支援センターなどの 専門職に連絡・相談する「つなぐ」ことで、大事に至らないケースも多く見られます。 | |
2. | 見守り |
日常生活で声かけなどを通じて安否確認を行います。 ご近所の「気になる方」を日常的・継続的に見守るということは、 同じ地域で暮らす住民だからできることです。 現在、多くの地域で取り組まれている「食事サービス」や「ふれあい喫茶」などの グループ活動の中でも見守りの意識をもつことによって、さらにその役割が高まります。 はじめは、関わりを望まれない方もおられます。 場合によっては「そっと見守る」ことも必要です。 | |
3. | 予防 |
ちょっとした変化を早期に発見し、対応することで、高齢者虐待などを未然に防ぐことができます。 相談窓口にこられる時には、 本人や家族・介護者が限界までがんばり、かなり深刻な状態になっている方が少なくありません。 そのように深刻な状態に陥る前に、 気づき、専門的な支援に「つなぐ」こと、「早期発見・対応」は重要です。 また、ご近所の方同士の「つながり」は、閉じこもりの予防に大いに役立ちます。 支援が必要になる前の元気なときからの気にかけ、気にかけられる関係、 そんな「つながり」が、実は重要なのです。 |
参考文献
―(2015)『見守り活動の手引き』大阪市社会福祉協議会 大阪市民生委員児童委員協議会.
地域における見守り施策の推進
孤立化防止を含めた取組み
大阪市では、平成3(1991)年から、概ね小学校区を単位とする地域において、連合振興町会、社会福祉協議会、民生委員・児童委員等各種団体の代表者などで構成される「地域ネットワーク委員会」が設置され、地域住民が健康を保持・増進し、積極的に社会参加できるような地域ぐるみの取組みを行うとともに、援護を必要としている人のニーズの発見や相談支援、関係機関への連絡調整、地域での支え合いについての検討などを地域の実情に応じ行ってきました。平成17(2005)年度からは、支援や見守りの対象をすべての住民とするなど、機能の充実を図っています。 また、同じく概ね小学校区を単位として、地域住民やさまざまな団体等が参画して「地域(地区・校下)社会福祉協議会」が組織化されており、ふれあい喫茶や子育てサロンなど、地域住民によるさまざまな支え合い、助け合い活動が行われています。 平成24(2012)年度以降は、市政改革プラン(平成24(2012)年7月策定)の「大きな公共を担う活力ある地域社会づくり」の方向性を踏まえ、地域ネットワーク委員会や地域(地区・校下)社会福祉協議会等の地域住民の組織や、ボランティア団体、NPO、企業など地域のまちづくりに関する様々な市民活動団体が幅広く参画し、地域課題に対応するとともに地域のまちづくりを推進することを目的として形成された連合組織である「地域活動協議会」のあり方と合わせて、区長のマネジメントにより区や地域の実情に応じた見守り等の再構築が進められています。
また、平成16(2004)年度から各区において「地域福祉アクションプラン」を策定し、見守り活動をはじめとする地域の福祉力を高める地域づくりを進めてきましたが、市政改革プランの考え方を踏まえ、各区の特色のある地域福祉の取組みを一層推進するために、大阪市では平成24(2012)年12月に「大阪市地域福祉推進指針」を策定しています。この指針の方向性を踏まえ、区によっては区の福祉推進の将来像を示した「地域福祉ビジョン」等を策定し、地域福祉力の強化に取り組んでいます。
平成25(2013)年度からは、各区において各区の実情に応じた取組みとして、福祉施策パイロット事業が進められており、各区ごとに住民相互の見守り等の取組みが推進されています。
また、これらの取組みに加え、平成26(2014)年からは、水道・ガス・電気・新聞といったライフライン事業者等との連携協力のための協定を結び、要援護者の異変を早期にキャッチし、これまでの見守り等の取組みと組み合わせて孤立死予防に努めています。
ひとり暮らし高齢者等が地域において安心して暮らすためには、近隣住民による見守り・相互援助、サービスへのつなぎ機能が重要であり、地域による住民相互の見守りネットワーク等の充実に向け、各区において区・地域の実情に応じた区独自のシステムの構築が進められています。
加えて、高齢者のニーズや福祉課題は複雑化・多様化・深刻化し、本人に対する支援の相談だけでなく、家族が問題(失業、障がい等)を抱えており、一体的に支援することが必要な場合も考えられます。
そのため、高齢者の支援機関だけでなく、各関係機関が持つ相談支援機能をつなげていくことが必要であり、相談支援機能の充実について中長期的な視点での検討が求められています。
(出典:大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画 p62-63)
参考文献
―(2015)『大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画』大阪市福祉局 高齢者施策部.
認知症高齢者支援の充実
認知症高齢者見守りネットワーク事業
大阪市では、認知症高齢者等が徘徊などにより行方不明になった際、地域の協力者へメール・FAXを一斉配信し、早期発見につなげる取組みや、介護者の入院等、突発的な事由により在宅生活が一時的に困難となった方を福祉施設で受け入れ、介護サービスを提供する緊急ショートステイ、認知症の方とその家族や認知症について不安を持つ方・地域住民、誰もが参加し情報交換ができ、集う場である認知症カフェへ医師等の専門職の派遣や市民向けリーフレットの作成による広報活動支援を実施するなど、認知症の方の地域での日常生活・家族の支援強化を図ります。
平成27年11月から実施
警察捜索の補完的なものとして、協力者にメール等で氏名・身体的特徴等の情報を一斉に送信
協力者:企業・団体等113件、民生委員308名(平成27年11月末現在)
事前登録者数:54名(平成27年11月末現在)
平成27年9月から実施
介護者の急病や事故などにより介護者がいなくなった場合や、葬祭など緊急やむを得ない介護者の突発的な事情などにより、一時的に在宅生活が困難となった方を受け入れる、緊急ショートステイを実施し、認知症の方を介護するご家族の負担を軽減
実績:11件、延べ120日(平成27年11月末現在)
お問い合わせ
大阪市福祉局高齢者施策部高齢福祉課認知症施策グループ
電話:06-6208-8027
地域福祉活動
西成区ふれあい喫茶
地域で暮らす人たちが、集い・交流することができる場として、地域会館などで実施され、コーヒー・紅茶・ジュースなどが100円程度で提供されています。事前の申し込みなく、子どもから高齢者まで、どなたでも参加できる活動として広がっています。(平成29年4月現在)
西成区ふれあい喫茶の実施日と実施場所の一覧
地区名 | 名称(マップ上の番号) | 実施日 | 実施場所 |
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弘治 | 弘治ふれあい喫茶 (1) | 第2金 11時30分~13時30分 | 弘治老人憩の家 西成区鶴見橋1ー5ー9 |
長橋 | 喫茶さくら (2) | 第3火 11時30分~13時 | 長橋老人憩の家 西成区南開2-4-22 |
萩之茶屋 | 喫茶すずらん (3) | 第2土 11時30分~13時30分 | はぎ会館・老人憩の家 西成区萩之茶屋1-7-12 |
ふれあい喫茶はぎ (4) | 第2木 13時~15時 | 西成市民館 西成区萩之茶屋2-9-1 |
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今宮 | 今宮ふれあい喫茶 (5) | 第4水 12時~14時 | 今宮社会福祉会館 西成区天下茶屋1-32-19 |
橘 | 喫茶たちばな (6) | 第3土 13時~15時 | 橘老人憩の家 西成区松1-8-11 |
梅南 | 梅南ボランティア喫茶 (7) | 第1月 13時~15時 | はぎのさと別館 西成区松3-1-16 |
玉出 | 喫茶レインボー玉出 (8) | 第2土 9時30分~11時 | 玉出西公園会館 西成区玉出西1-8-19 |
第4火 13時~15時 |
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岸里 | 岸里ふれあい喫茶 (9) | 第1金 13時~15時 | 岸里老人憩の家 西成区岸里3-4-9 |
千本 | 喫茶ひまわり (10) | 第4水 13時~15時 | 千本福祉会館 西成区千本北2-12-1 |
津守 | 津守ふれあい喫茶 (11) | 第1土 10時30分~12時30分 | 津守老人憩の家 西成区津守1-13-37 |
南津守 | 喫茶南津守 (12) | 第1金 12時~14時 | 南津守福祉会館 西成区南津守4-1-33 |
北津守 | 喫茶北津守 (13) | 第2火 11時~13時 | 北津守老人憩の家 西成区北津守3-8-8 |
山王 | ふれあい喫茶サロンいきいき (14) | 第2火 10時~12時 | 山王集会所 西成区山王2-10-24 |
飛田 | 飛田ふれあい喫茶 (15) | 第2木 14時~15時30分 (3・6・9・12月は 13時~15時) | 飛田ふれあい会館 西成区山王3-12-13 |
天下茶屋 | ふれあい喫茶天下茶屋 (16) | 第2水 12時~14時 | 天下茶屋老人憩の家 西成区天下茶屋東2-1-29 |
松之宮 | ふれあいサークル喫茶りぼん (17) | 不定期開催 おおむね3か月に1回 | 松之宮集会所別館 西成区鶴見橋3-3-7 |
西成区ふれあい喫茶マップ
平成27年度西成区ふれあい喫茶事業実績一覧(決算)
西成区が公開している情報を基に、平成27年度大阪市西成区「地域活動協議会」補助金事業実績報告一覧から「ふれあい喫茶」における補助対象経費と補助金執行額をまとめました。
地区名 | 実施日または期間 | 補助対象経費 | 補助金執行額 |
---|---|---|---|
弘治 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
長橋 | 月1回 | ¥332,777 | ¥140,000 |
萩之茶屋 | (正)第2火曜日 | ¥171,676 | ¥102,870 |
今宮 | 通年 | ¥355,450 | ¥148,391 |
橘 | 第3土曜日 | ¥36,220 | ¥15,000 |
松之宮 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
梅南 | 通年 | ¥141,202 | ¥90,402 |
玉出 | 通年 | ¥0 | ¥0 |
岸里 | 第1金曜日 | ¥243,436 | ¥129,136 |
千本 | 通年 | ¥190,881 | ¥190,881 |
津守 | 第1土曜日 | ¥205,760 | ¥116,460 |
南津守 | 通年 | ¥180,637 | ¥94,000 |
北津守 | (正)第2火曜日 | ¥208,621 | ¥104,421 |
山王 | 通年 | ¥157,634 | ¥118,049 |
飛田 | 通年 | ¥178,697 | ¥110,000 |
天下茶屋 | 通年 | ¥153,573 | ¥100,000 |
出典:平成27年度大阪市西成区「地域活動協議会」補助金事業実績一覧 |
弘治地域と松之宮地域においては、「ふれあい喫茶」事業を地域活動協議会補助事業としていないため、補助金事業実績一覧への記載がありません。
萩之茶屋地域における「ふれあい喫茶」については、「喫茶すずらん」のみ地域活動協議会補助事業としているため、「喫茶すずらん」のみ情報記載されており、「喫茶はぎ」の運営経費については把握できておりません。
玉出地域においては、平成27年度については補助対象とする運営経費がなかったため、補助対象経費と補助金執行額が0円となっています。
平成27年度大阪市西成区「地域活動協議会」補助金事業実績一覧で、萩之茶屋地域と北津守地域の実施日に記載の誤りがありました。正しくは赤字で記載している通りです。
(上記の内容は西成区に確認済み)
お問い合わせ
大阪市西成区役所市民協働課
電話:06-6659-9734
地域活動協議会
地域活動協議会とは、校区等地域(おおむね小学校区の範囲を基本とする地域)を単位として、地域住民の組織をはじめ、ボランティア団体、NPO、企業など地域のまちづくりに関する様々な市民活動団体が幅広く参画し、民主的で開かれた組織運営と会計の透明性を確保しながら、防犯・防災、子ども・青少年、福祉・健康、環境、文化・スポーツなど様々な分野において、地域課題に対応するとともに地域のまちづくりを推進することを目的として形成された連合組織をいいます。
見守り相談室
認知症高齢者等の行方不明時の早期発見
事前に登録をされた認知症高齢者及び認知症の疑い等により徘徊の恐れがある方が行方不明となった場合、早期発見・保護のため、地域の協力者に捜索依頼メールまたはファックスを配信します。
お問い合わせ
西成区見守り相談室(西成区社会福祉協議会)
電話:06-4967-4682
認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
大阪市認知症サポーター養成講座のオープン講座
大阪市内で開催を予定している認知症サポーター養成講座のオープン講座開催情報を公開しています。
参加には事前の申し込みが必要となります。
オープン講座開催情報(大阪市内で開催を予定している認知症サポーター養成講座) |
参加要件のある講座もあります。確認の上、参加希望の講座担当者までご連絡ください。
大阪市24区の認知症サポーター養成講座の問い合わせ先
オープン講座情報一覧のページに掲載されていない認知症サポーター養成講座の情報については、各区キャラバン・メイト連絡会へ直接お問い合わせください。
24区の連絡先は、下記の大阪市キャラバン・メイト事務局にお問い合わせください。
大阪市キャラバン・メイト事務局
大阪市天王寺区東高津町12-10 大阪市立社会福祉センター2階
電話:06-6765-7273
「認知症を知り地域をつくる10ヵ年」の構想
認知症を知り地域をつくるキャンペーン
2004年12月に「痴呆」の呼び名が「認知症」に改まり、つづく2005年度が「認知症を知る1年」と位置づけられました。単なる呼称変更にとどまらず、今後多くの人々に認知症が正しく理解され、また認知症の方が安心して暮らせる町がつくられていくよう、その第一歩として、普及啓発のためのキャンペーンが開始されました。
厚生労働省の「認知症を知り 地域をつくる10ヵ年」の構想のもと、認知症の方とそのご家族を地域の中で支える「地域づくり」をめざしています。民間の有識者や団体を中心とした「認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議」の支援をうけ、平成17年度から全国で展開されています。
みんなで認知症の人とその家族を支え、見守り、ともに生きる地域を築いていく運動を推進しています。
認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議宣言
- わたしたちは、認知症を自分のこととしてとらえ、学びます。
- わたしたちは、認知症の人の不安や混乱した気持ちを理解するよう努めます。
- わたしたちは、認知症の人が自由に町に出かけられるよう、応援します。
- わたしたちは、認知症の人や家族が笑顔で暮らしていけるよう、いっしょに考えます。
- わたしたちは、市民や企業人としてできることを行い、安心して暮らせる町づくりをめざします。
認知症サポーター100万人キャラバン
私たちデイサービス昭和館のスタッフは、認知症に対して正しく理解し、偏見をもちません。
認知症の人やそのご家族を温かい目で見守ります。
地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携のネットワークづくりに寄与します。
デイサービス昭和館のスタッフは大阪市キャラバン・メイトとして登録し、活動に参加しています。
認知症サポーターおよびキャラバン・メイトに関するお問い合わせ
大阪市社会福祉協議会 地域福祉課(大阪市キャラバン・メイト事務局)
電話:06-6765-7273
認知症サポーターの養成と活動の支援
認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)では、認知症への理解を深めるための普及・啓発を推進しています。
認知症サポーターの養成と活動の支援について、認知症サポーターを量的に養成するだけでなく、活動の任意性を維持しながら、認知症サポーターが様々な場面で活躍してもらうことに重点を置いています。
デイサービス昭和館は、事業所の休業日に施設の一部を提供し、社会貢献の一環として、認知症カフェ(オレンジカフェ昭和館)を開催しています。
オレンジカフェ昭和館では、ボランティア活動としてお手伝いしてくださる方を受け入れしています。
認知症サポーター養成講座を修了して、認知症サポーターとして活躍の場をお探しの方はお気軽にお問い合わせください。